隠した事実と本音と

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「ところで、お前フルートどうする事にしたんだ。考えたか?」 「えっと実は今日、お断りしてきたんです、サークルのこと……」 「よかったのか?」 彼女の答えが嬉しい。 そのため声がわずかに明るくなってしまった。 バレテいないだろうか。恥ずかしい。 「あっはい。そこでここで習わせていただきたいのですが……」 「わかった、米倉に伝えよう」 即答だった。 これで心配することもない、と安堵するが葉月は予想外のことを口にした。 「あの、でもお月謝は……?」 「問題ない」 「あの、私大学を出たら働いてお返ししますから」 「働く?」 つい眉間に眉を寄せてしまう。 「え……」 働かなくても十分な生活ができるというのに、何を考えているのだろう。 しかし彼女は裕福な環境にいたわけではないことを思い出す。 「まぁいい。大学卒業後のことはまただ」 「あ、ありがとうございます」 俺はとにかくホッとした。 それでもまだ先だが、大学卒業してからのことを何か手を打たなければなと考えるのだった。
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