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葉月は、洗濯物干しの使い方も知らなかった。
洗濯機が回り終え、共に干すことにした時だ。
「使い方わかるか?」
ハンガーが連なる洗濯物干しを持ち、彼女に尋ねると首を振った。
「洋服を掛けたことはあるんですが、そういうのは……同じなのか自信がないです」
俺だって自信があるとはいえないが、あまりにも正直な彼女が微笑ましくて、笑ってしまった。
「だよな、悪い」
それに彼女は少しだけ唇を尖らせた。
ふて腐れたのか、その表情が初めて見るもので可愛らしい。
それに触れたくなったのは反射だった。
「悪かった、しょげるな」
気付くと、頭を撫でていた。
「はい」
自分でも驚くほど甘い声が出た。
彼女が可愛すぎるせい。
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