独占欲と伝わる想い

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告白は素直に嬉しい。 思わず“俺もだ”と返したくなるくらい。 だが同じ気持ちを伝えることができない。 初めに放った言葉に苦しめられる。 好きにならないと言ったでは、ないかと。 「好きなんです」 喜びと戸惑いが胸に同時に広がる俺に彼女が、また一つ気持ちを重ねた。 その声は震えていたけれども、嘘には聞こえなかった。 「葉月、俺が憎くないのか?お前を利用したんだぞ」 初めに酷いことを言ったのに、彼女は本当に俺を好きでいてくれるのだろうか。 利用したなんて思ってもないが、傷付けて冷たくした。 「憎いなんてとんでもないです。初めはどうであれ、今はこんなに優しくしていただいています」 酷くした俺までも受け入れてくれたと思っていいのだろうか。 「葉月……」 彼女の気持ちを知りたくて、俯く彼女の顔を僅かに上向かせた。 「お前の意思もなしに結婚した俺を許せるか?」 ずっと存る罪悪感。 好きだと伝える前に、確認したい。 「許すだなんて、元々怒ってませんし、共哉さんには私の実家を助けていただいたのですよ。我が家を救ってくださった共哉さんに、頭を下げなければならないのは私の方です」 それに胸が締め付けられる。 俺の欲で結婚させたことを救ったと思うなんて…… 何も言えなくなった。
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