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「何でそうなる?」
若干苛つきそう言うと、彼女がビクリとした。
「え、っと……姉は綺麗ですし、社交的ですし」
それでも小さな声で理由を話す彼女に、思いきりため息を吐く。
別に俺は綺麗だとか社交的だとか、そういうのは求めてない。
「俺はそんなの求めてない」
「え?」
「お前が姉に似てたら、結婚してない」
それにもし葉月が弥生の様なら、結婚なんてしていないはずだ。
だがそれを言ってハッとした、
逆を言うと、葉月だから結婚したと宣言しているようなものだから。
自分で発していて恥ずかしくなる。
思わず焦りで表情が崩れそうになる。
「共哉さんは私で……」
しかし彼女の方が焦っているように見えた。
「なんだ?」
それに出来るだけ無表情で答える俺。
「いえ、これ美味しいですね」
「まぁな」
葉月が話を変えてくれて、どれだけ安堵しただろう。
俺は臆病なのかもしれない。
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