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それでも中身は重要な話。
米倉と話を進めつつ、思考を巡らせていく。
そんな俺の声に葉月がドキドキしているなんて思いもしなかった。
俺はというと、葉月のさらりとした髪に触れては指を通すのを繰り返す。
それは意識的ではなく、無意識。
指通りのいい髪は彼女の密かに気に入ってるところだ。
だから心地いい。
柔らかい感触が指を刺激して気持ちがいい。
葉月が足を動かしたのにはすぐに気が付いた。思わず反射で自分のもので押さえつける。
動くな、と鋭い眼差しを付けて。
抜け出そうと考えたに違いない。
だがそれはさせまいと、強く足を絡めた。
睨んだ先の彼女の顔は、戸惑っていた。
だが、無視を決め込み足に力を入れる。
葉月はすぐに諦めたように、大人しくなる。
素直な彼女に満足して、電話を続けることしばらく、彼女が俺にもたれかかってきた。
温い温度が近くなり、早く切って先ほどの続きをしたくなる。
彼女を部屋に連れ入れたならこんな思いもできるのだな、と密かに笑んだ。
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