重ねる時と

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“昨日も一緒に寝るだけで、少しだけ寂しくて” その言葉が頭から離れない。 まさか彼女から誘われるなんて、思ってもなかった。 一緒に寝ただけでは足りない。それは俺だって同じだ。 重ねた唇をどんどん深くする。 強く、深く、俺の想いを込めながら。 食むように重ね、口内へといく。 そこはとても熱くて甘くて、溶けてしまいそうだ。 俺の舌で彼女の熱い中を行き来させると、僅かに漏れる声が耳に届く。 それは色っぽいもので俺を更に熱くさせる。 「葉月」 たまらなくなり彼女の名を呼ぶと、葉月は応えるように、俺を甘く見つめる。 それは俺を煽るのに、じゅうぶん過ぎた。 性急に横にいる彼女を捕まえ、俺の上に乗せ、身体を密着させた。 そして、またすぐ口付けを求める。 「と、とも……」 彼女が俺を呼ぶのに気付いたが、気にする程余裕がない。 戸惑い離れようとしている事にも気付いているけれど、それをさせる気はなかった。 後頭部と腰を手で押さえて、動かす足は俺のもので挟んだ。 強く抱き締め、閉じ込めるキスを止めない。 次第に力が入らなくなる彼女の身体。 抵抗を止め受け入れる葉月が愛くて、仕方がない。 彼女の顔が見たい。 そう思い唇を離すと、葉月の顔は真っ赤だった。 とろんとした目元に、濡れた半開きの唇。 俺がそうさせているのだと思うとたまらなくなる。
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