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彼女に答える余裕はない。
俺の背に手を回してしがみつく葉月の顔中にキスを落として、気が紛れればと強く思うだけ。
そして、溶けるような甘い熱を感じて葉月への想いを強くした。
俺を受け入れてくれたせいで、力が入らない状態の彼女を抱き締めるが、同じ強さは返ってこない。
それでも素肌同士をくっつけている今、互いの熱が伝わって、気持ちを温かくした。
｢きついか？｣
繋がった際、尋ねると葉月は｢少し……｣と苦しそうに言った。
本当は少しなんてものではないだろう。
なんでも“大丈夫です”と言う彼女が“少し”と言うのだから。
｢初めてだったもんな｣
申し訳ない思いと、嬉しい思い。二つの感情が胸に広がる。
痛ませて申し訳ないが、初めて俺が開いたのだと思うと嬉しくて…
葉月の頭にキスを落とす。
｢このまま休んでいいぞ｣
｢はい｣
素肌のままだから抵抗するかと考えたが、葉月は甘えるように俺の胸に顔を埋めてくる。
彼女との距離が近くなったように感じて更に嬉しくなる。
身体を繋げる事が、心をも繋げるという事を初めて実感する。
葉月もそう感じているだろうか……
そうだといい、と感じつつ彼女の身体を力を抱き締めるのだ。
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