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いつかのため、なんて嬉しすぎる。
彼からの言葉。それは二人の未来の話で、いつか二人の間に子供がいる日常があるというもの。
どうしよう、嬉しい。
共哉さんの中で私との未来はちゃんとあるようだ。
私はずっと彼といたいと思っているけれど、共哉さんも少しは同じように思ってくれているというのだろうか。
「ん?他にも何かあれば揃えておいてもいいぞ」
それから彼に更に優しく言われ、胸がいっぱいになる。
「葉月?」
だからしばらく何も言えない私を不思議そうに彼が覗き込んできた。
「共哉さん……」
「なんだ?」
その瞳は優しくて、胸が掴まれるよう。
「い、いえ。あの、このお皿買ってもいいですか?」
「あぁ」
本当に嬉しくて、手に持つ皿に少し力を込めてしまう。
「お義姉さんの子供の食器も買っておくのはどうだ?」
「え、あ、はい」
遊びに来てもらう約束をしているのだから、必要かもしれない。
「これはいつかのためにとっておくことにしよう、他にも葉月が気に入った物があれば、買えばいい。それとは別にお義姉の子は美月ちゃんだったか?その子の物も買えばいいよ」
彼の言葉は私をまた嬉しくさせる。
「ありがとうございます。このお皿はいつか……子供ができる時まで大切にしますね」
そんな言葉を返してしまうほど、心は弾んでいる。
「……あぁ」
それに今度は共哉さんが照れるのには私は気付かなかった。
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