本当のところ

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全く練習してないため、上手く吹けなかった私なのに二人は恥ずかしくなるくらい褒めてくれた。 先生も、指摘しにくかったと思う。 “練習頑張ってね”と言われただけ。 逆に申し訳なかった。 きっと、明日の練習で、今日のぶんの指摘も入るだろう。 義母は先生に帰り際、大量の菓子やフルーツを持たせ、私のために先生にまで気を遣う義母に感激した。 レッスンが終わると、待ってました、と言わんばかりの義祖父の部屋に誘われた。 夕食からだと義母には言われてしまうと、抵抗する「少しくらいいいだろう」と義祖父は言う。 「いいえ、お義父さんが写真を見せ始めたら長いんですもの、後でゆっくり見ればいいじゃないですか」 「すぐに終わる」 「それなら後でも構わないでしょう」 「すぐ終わるから今でもいいだろう」 「葉月さんはお腹が空いてると思うわ」 意見を変えない義母に 「そうなのか」と、私に尋ねた。 何も言えない。 「そうなんですよ、ほら、夕飯にしましょう」 二人に若干たじろぎつつも、 仲がよさそうでいいなと思った。 私の祖父は幼い頃になくなってしまったけれど、祖母は父に似て厳しい人だった。 私の母も義母みたいに、もっと父や祖母に発言できる人だったなら、もっと窮屈でない環境でいられただろうか。 そんなことを思っても仕方がないけれど、ちょっぴり共哉さんが羨ましくなった。
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