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「いるわよ。今お爺ちゃまと夕食を食べてるわよ」
共哉さんは、私の存在を確かめたのだろうか。
「え、大丈夫よ。あら」
それに今度は私を見つめて、苦笑いする義母に戸惑う。
何を話してるのだろうか。共哉さんと話したい。
「そうじゃないわ、えぇ、待って」
気になってしまう私は義母を見つめ続ける。
「葉月さん、共哉が代わってちょうだいって、」
すぐに言われ、共哉さんと繋がっている携帯を差し出された。
「え、あ、はいっ」
慌てて出ると、昼に聞いたぶりの彼の声がした。
「葉月、大丈夫か?」
「え、はい」
「お前、携帯は?」
「あっ、鞄に確か……」
私を義母と義祖父が見つめる。
若干、居心地悪く感じるも仕方がない。
二人は心配しているに違いないのだから。
「持っとけよ、携帯なんだから意味ないだろ」
「はい」
叱られてしまい、少ししゅんとすると彼の次の言葉にそれはなくなる。
「俺だけか?連絡を取りたいと思うのは?」
「え?」
「お前、寂しいんじゃなかったのかよ」
「共哉さん……」
彼らしくない言葉に驚くも、それは嬉しいもので言葉に詰まった。
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