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それでも美味しく食べちゃったのは私だから、やはり私のせい。
食後、義祖父は、私を義祖父の部屋に連れていこうとしたが義母が「お義父さん、アルバムをここに持ってきてもらいましょう。私も見たいわ」と言った。
「なんだと?」
「久しぶりに思い出したいもの」
「珍しい事を言うな……」
義母に引き留められ、アルバムを家政婦に持ってきてもらった。
それは共哉さんが、あまり長くならないようにと、義母に頼んでくれたかららしい。
私も義祖父もそれは知らない。
彼が心配するだけあり、見せたいという写真は思っていた以上に多かった。
私の実家にもない量の写真。
一人息子だからだろうか。
共哉さんの幼い頃から、と一つのアルバムを開き始めたのだけど、なかなか赤ちゃんの頃から進まない。
一日何枚撮ったのだろう、と思うほど。
同じポーズの物もたくさんあって、大切に育てられたのが伝わる。
赤ちゃんの頃の共哉さんは、全く今と違って新鮮で、可愛かった。
「お義父さん、懐かしいわね。こんなに可愛かったのね共哉」
「あぁ、あんたも若いな」
「もう、お義父さんだって、まだ白髪もないですよ」
「なんだと」
あまり進まないけれども、アルバムを囲い合うのは楽しい。
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