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しかも彼の赤ちゃんの頃のエピソードを聞くことにより、少し彼を知った気分になった。
二人を笑顔にさせる写真の重さ。
義祖父が言っていたように、私も思い出を集めたくなる。
彼が帰ってきたなら頼んでみようか……
だけどどんな顔をして共哉さんは写真に写るだろう。
想像がつかない。
「葉月さんと共哉の赤ちゃんもこうして撮ってあげたいわ」
「え……!」
「そうだな、私が撮ってやろう、共哉は忙しいからな」
「何ですかそれ、お義父さんが撮りたいだけでしょう」
「なんだと!」
共哉さんから、話が先へ膨らむのも楽しいかもしれない。
ちょっぴり、恥ずかしいけれど。
「撮ってやろうなんて言い方しないで、撮りたいって言えばいいんですよ」
「似たようなものじゃないか」
「全然違いますよ、ねぇ葉月さん」
二人は、気が合っている のか合っていないのかわからない。
慣れていない私は、ドキドキしてしまう。
「え、あっ、そんな……」
「私が撮ってやるからな」
「はい、その時はお願いします」
でも二人とも私にとても優しくしてくれるから、共哉さんの家族は温かいんだなって思えて、いつか家族が増えたなら、と憧れてしまう。
「よかったですね、お義父さん。葉月さん、私にもたくさん会わせてちょうだいね」
「あっ、はい」
「あんたも同じじゃないか」
「全然違いますよ」
本当に、温かい。
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