本当のところ

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一度目はくらくらだった彼との入浴だが、二度目は恥ずかしいという意識もあり、洋服を脱ぐ時からドキドキして大変だった。 覚悟を決めて入るとすぐ、彼は私の身体を洗おうる。ドキドキが増す。 「共哉さん、私子供じゃないですよ……?」 「知ってるよ、そんなの」 「自分で洗えますよ!」 「大人でも背中とか届かないだろ?」 だけど、拒もうとしてもそうさせてくれない。 「甘えて洗われればいいんだよ」 経験値の差からだろうか。 言われるがまま、彼の行動を受け入れてしまう。 甘やかしているところなのだろうか。 そう思うと、存分に、という彼の言葉が気になって仕方がなくなるけれど、それも最初だけ。 あまりにも丁寧に手を滑らせる彼に、私の意識は違う方へいってしまう。 甘やかされることは大変だ。 でも嫌でない。 共哉さんが好きだから私は委ねてしまう。 甘やかしてもらった翌日。 「土産は何がいい?」 「それよりも、無事に帰ってきてくれたら何も」 私は寂しくて、行ってしまう前の彼と何度か“いってらっしゃい”“いってきます”を繰り返してしまう。 土産なんていらないから無事に、そしてできれば早く帰ってきて欲しい。 いつからこんなに寂しがり屋になったのだろうと思うくらい、たった少しの離れる時間が悲しくて、出発の時間に迫られた彼が最後にキスを落として行ってしまうとそれがズンと膨らんだ。
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