思わぬコト

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今日は彼が帰ってくる日。 母と二人で過ごす朝は懐かしく、昔に戻ったような気分になった。 母とは実家に次回は行くことを約束した。 見送った際は寂しかったが、これからは気軽に連絡できるのだと思うと、心が軽かった。 講義は午後から。もう少しゆっくりしていられる。 宮前さんは今日はもうここには来ないので、私一人だ。 リビングのソファに腰を沈めると、彼からのメールが入り、帰りは夜遅くになることがのってあった。 「遅いんだ……」 疲れて帰ってくるだろう、きっと。 長く移動するだけで疲れるものだ。 でもなんだか、私も一昨日昨日と落ち着かなかったからか、家の中に一人になった今、疲れなのか普段感じないだるさがある。 少し寝てから、学校に行こうと普段しないようなことを思う。 “気を付けて帰ってきて下さいね、待ってます” そう彼に返事を送ってすぐ、彼の部屋のドアを開けた。 自分の部屋より、そちらを選んだのはあえてだ。 まだ二人のベッドが届いてないけれど、彼も使っていいと言ってくれていたから。 彼のベッドに身体を潜らせる。 最近知った、私のものでない匂いがして少しドキドキしたけれど、顔を押し付けた。 寄せれば寄せるほど沈むのだが、抱えられているようで気持ちは浮くよう。 いつの間にか眠りに誘われて、私は寝てしまっていた。
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