思わぬコト

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彼のベッドで眠るのは心地よくて、大学に行く時間になっているというのに、崎田さんからの電話を取るのも気付かないほど。 寝てしまっている私を知らない崎田さんは心配して、共哉さんに連絡していた。 今日来ないはずの宮前さんが様子を見に来たのは私のせいだ。 そんな私だけど、宮前さんが来たのにも気が付かなかった。 彼女は私が寝ているとわかり安心して、起こさないでいてくれた。 昼前に寝入った私が、目が覚めたのはなんと夕方を回っていた。 大学へ行かなければならなかったのに、彼が帰ってくるから色々準備したい。 色々思い巡らせ、焦り始める。 その時、扉が開いた。 「宮前さん……」 「気分はいかがです?葉月さん」 「どうして……?」 彼女が私を覗くから、驚いた。 「坊っちゃんが葉月さんと連絡が取れないのを心配していたんです」 「ご、ごめんなさい私……」 「いいんですよ、葉月さん、気分は悪くないですか?」 優しく言ってくれる言葉に、もう一度謝り首を横に振る。 「そうですか。疲れてらっしゃったのかしら……。 葉月さん、ちょっと失礼しますね」 私の額に宮前さんは手を置いた。 「寝起きだからかしら、やっぱり熱いわ少し…… 葉月さん寝ている時も熱かったの、時間を置いてお熱計りましょうか」 「え?」 彼女の手には体温計がある。 それを見て自分の首元を触ってみる。 確かに、熱い。 もしかすると朝、感じてたものは風邪からくるものだったのだろうか。
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