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身体が熱い。
心地よく寝入った私だけど、その熱さで目を覚ます。
ものすごく熱くてたまらなかった。
ひどく汗をかいているのがわかり、大きく掛け布団をずらすと、隣にはスーツのままの彼がいた。
「……共哉さん」
私が寝てからずっといたのだろうか。
すぐ横で横になって寝ている。
彼は私の動く気配を感じたのか、「葉月…」と言って、瞳を開けた。
「大丈夫か?」
まず私を心配してくれる。
「……まだ熱いな、汗もかいてる」
彼は起き上がり、素早くバスタオルを取りに行く。
そして私の首にかけ、軽く顔と頭を拭いた。
「着替えた方がいいな」
それはとてもありがたいこと。確かに着替えたいけど、彼こそそうだろう。
「共哉さん、まだお風呂入ってないですよね?」
風呂にも入らなず、付き合わせてしまっている事に申し訳なさを感じる。
「あぁ、つい寝てしまった」
「ご飯は……」
「大丈夫だ。それより着替えだ、葉月」
それに夕食も食べてないことがわかり、どうしようと思うも、「下着も変えたいだろ?俺が取ってきてもいいか?」と、聞かれ慌てて首を横に振る。
彼は「捕まれよ」と言うと、私を軽々と抱きかかえ、私の部屋まで運んだ。
「着替えたら呼べよ、熱計るぞ」
一人で急いで着替える。
すると、まだ彼を呼んでいないのに彼が来て、着替えるとリビングまで連れていかれた。
ソファに座った彼の膝の上に私は乗せられ、後ろから体温を計られる。
「まだ下がりきらないな」
熱はまだ高い。
でもきっと今の熱には、彼と密着したドキドキの温度も加わっているはずだ。
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