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ダメだと思うのに奥の方で、彼とのキスを昨日も一昨日も望んでいたのかもしれない。
抵抗するのも少しの間だけ。
私はキスを受け入れてしまう。
熱く感じる。高まる熱。
「……共哉さん、会いたかったです」
この気持ちのせい。
たった少しの間だったのに、会いたかった。
私が言った言葉は彼を柔らかく笑ませた。頭を撫でてくれる。
「寂しくて風邪引いたか?」
そしてそんな冗談を言うから、
「そうかもです」
なんて、答えてみてはまた彼に微笑まれる。
甘い空気がくすぐったい。
「早く治るといいな」
「はい。共哉さんが帰ってきたからきっと治ります、すぐ」
つい今まで移るから、と避けていたくせに、自分から彼の胸に頭を寄せる。
恥ずかしいことを言った自覚があるだけに。
私の頭を撫で続けてくれる彼のことが私は大好きだと改めて感じた。
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