彼との未来

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「御曹司やっぱかっこいいよね」 「え?」 「あの米倉って人も格好いいけど」 「そう?」 「あ、あの女の人は仕事仲間で米倉さんの元カノみたいだよ」 「そ、そうなんだ……」 私と彼が戻ると、生温かい空気に迎えられた。 彼らはすぐに行ってしまって挨拶も慌ててするほどだったが、心は十分に満たされた。 私たちが話している間、友梨香は情報収集をしていたようだ。 「あっほら葉月の百貨店の袋」 「あっうん……」 私たちの横を寿の袋を両手に持つ人が通った。 正確には私の、というより父のというのが正しい。 私はもう寿じゃない。 だが父のと本当に言えるのだろうか。 経営が傾いて、援助しているのは彼であるのだ。 「物はいいんだろうけどさ。高いんだよね」 「うん……」 どれだけのものかは知らないが、父自らそれは話していた。 「私みたいな一般人にはとても買えないよ」 「そんなこと……」 あるのだろうか。 きっと友梨香の方が私よりそういうことに詳しい。 「あっほら、さっきより少し空いてる。ラッキー」 私たちはさっきと同じ店に友梨香と並ぶ。 彼女の言う通り、少し人が減っていた。 そんな中、私の胸には新たな思いが住みついた。 それは父が経営する百貨店のことだった。
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