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「共哉さんのここ、冷たいですね」
「ん、あぁ……。
葉月は温い」
彼の体温を確かめるように言うと、その頬が下りてきて私のものにあたった。
「共哉さんっ」
頬同士がぶつかって、体温が混ざる。冷たいけど温かいそんな感覚がある。
だが、それより少しでも横を向くとキスができる距離に一気に鼓動が高まった。
「比べたらよくわかるな」
それからゆっくり頬を擦るから、更に熱くなった気がした。
彼はいつでも私のドキドキを簡単に引き出してしまう。
それは彼が年上だからなのか、経験豊富だからなのかわからないけれど、毎回そうだ。
今の慣れない刺激に瞳を閉じると、温い息と共に冷たい唇が私のものに落ちてきた。
少し瞳を開けると、彼が愉しそうな顔をしている。
甘い悪戯をしかける時の顔。
その顔を見ると、私の身体は益々熱くなってしまう。
彼にそれはバレたくなく、再び閉じる。
そこには密かに期待していたキスが振ってきて、私はひっそり彼の熱に浸った。
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