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ただ体温が触れ合うだけで幸せを感じる。ずっとこのままでいたいとさえ思うが、女性といて、離れがたいだなんて思うことはあっただろうか……
「まだのんびりできるぞ」
今日は時間がある。
あまり普段互いの時間が重なることはそうない。
だから、今日は二人の時間を大切にしたい。
だが、彼女はなにを思ったのか瞳を強く閉じた。
まるで、それは昨夜を思い出すような、そんな表情。
可愛くて、思わず昨夜の熱をぶり返したくなる。
しかし、葉月の身体を壊すわけにはいかない。
彼女はまだ、知ったばかりだ。
強引にして、痛みを植え付けたくない。
それに、体力も今はきっとないだろう。
まずは何か食べることが必要であると、俺は「腹減ったろ、何かとるか?」と言った。
「あっ、はい……」
頬を赤く染めて、瞳を瞬かせる葉月が可愛い。
俺はたまらず強く抱き締めてしまう。
だがすぐに、「起きようか」と言った。
きっと抱き締める以上のことをすれば、止まらない自信があった。
どうしようか、好きになりすぎそうで、怖い。
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