バーコードで管理されている

2/2
前へ
/2ページ
次へ
私はずっと2年間ニートをしている。 有名高校に合格し、エリート道まっしぐらだと思っていた。 優秀な子が多すぎたのだ。 私は勉強でも運動でも、何をしても劣等生だった。 情けなくなる自分に嫌気がさし、私は家にい続けた。 それでも両親は私を咎めなかった。 それがますます嫌で、私は何も考えたくない一心で食欲に火がついた。 真夜中のコンビニに行き、大量のスナック菓子や弁当を購入する。 店員は一人で、私がかごに入れたもののバーコードをスキャンする。 店員は中年のおじさんでもたついきながら商品のバーコードを探す。 ピッ。 それはお母さんの財布から盗んだお金ですか? ピッ。 学校でも劣等生だったのに、クズのクズに落ちたんだな。 ピッ。 バーコードを発明した人ってすごい。 情報や値段を瞬時に機械が読み取ってくれる。 こんな高度な発明品なおかげで バカでも会計ができるのだ。 ぎゅっと手を握る。 私は一時的に気が高まり。 女の私でも店員のおじさんを襲ってお金を盗むことができるのではと頭に過ぎる。 お金が欲しい訳ではない。誰かが自分より劣ってると証明させたい。 首を狙おうと手のひらを開いた瞬間・・・。 自分の手のひらにバーコードが印字されているのがわかる。 何よこれ。 私は買い物かごに入れられている。 私以外の子供たちもかごの中に放り込まれている。 あれは高校の時初めてあった同級生だ。 みんなどこかのお人形みたいだ。 ピッ、ピッ、ピッ。 気づくと店員の中年おじさんが 私をかごから摘まみ上げる。 ピー!ピー!ピー! 「ああ?こりゃ?期限切れですね、失礼しました」 店員は私のかごの外からだし、足元の汚い箱に入れる。 汚い箱の中には、外は他の子とは変わらない、まだまだ元気な子供たちが 悲しそうに座っていた。 中年のおじさんはじっと汚い箱を見る。 「ごめんよ。お前たち。まだまだ食べられるんだけど、 会社の方針で捨てなきゃいけないんだ」 おじさんは汚い箱を持って廃棄物入れに私たちを捨てたのだった。 さようならさようなら。 せっかく誰かが作ってくれたのだったら せめて誰かの口で召されたかった
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加