343人が本棚に入れています
本棚に追加
/21ページ
「……まぁ」
彼がそう言ったため、私は肯定と捉えた。
「そうなんですね、だからこんなに……さすが米倉さんですね。まだまだ先なのに」
「まぁな……」
彼はそう言い頬をかいた。
視線は私の手にある。
だから、私も手に持つピンク色の衣服を見つめた。
「私、似合うかな……」
それはふと浮かんだ疑問だった。
パーティーとなると、たくさんの人がくるだけに不安である。
すると彼は少しして、「着てみるか?」と言った。
「え?」
「サイズが合うか確かめればいいよ」
「あ、はい」
共哉さんは無表情でいるから、真剣に薦めているのだとわかった。
「でも、これ、本当に私に……?」
「あぁ」
「わかりました。着てみます」
「……あぁ」
私はビニール袋からそれを取り出して、生地に触れてみる。
「本物みたい……」
最初のコメントを投稿しよう!