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「今日は葉月以外に二人いたんだろ?式には来れそうだって?」
「はい大丈夫でした」
「そう、よかった」
「二人とも結婚式が初めてだそうで、楽しみだって言ってくれましたよ」
確かにそうだろうと俺は頷いた。
彼女の友人も若いわけで、彼女同様今から増えていく年齢だろう。
「そうだろうな……」
「私たちの結婚式を楽しみにしてくれる人がいると嬉しいですね」
「あぁ、確かに……」
両親はやっと式を挙げる俺たちに何度も祝いだと実家へ招いた。
結局はただ彼女と会いたいだけで、理由があると呼びやすいのだ。
「ねぇ共哉さん、一つ思っていたんですけど」
「ん?」
「姉のことなんです」
「弥生?」
彼女の口から弥生の名が出ると、ドキッとする。
彼女にとって弥生の影響力は大きいのだ。
「はい。弥生姉出ていってしまったから、実際両親にドレス姿見せられてないじゃないですか」
「あぁ」
「見せてあげられたらなぁって思ったんです」
「なるほど……」
彼女らしい考えである。
それから俺は彼女の思考に密かに安堵した。
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