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きっと彼女もそれには気づいている。
ズルいかもしれないが、それでも側にいて欲しい気持ちは大きい。
大学ではサークルに入ってない分、交友関係は狭い。
しかし働くとなると……
面白くない妄想が頭の中に広がり、そうはさせないと意識してしまう。
彼女はモテないほうではないから、不安である。
もし彼女にやりたいことが見つかったなら……
俺は簡単に彼女を放てそうにない。
「共哉さん、ありがとうございました」
「いいよ決まってよかった。あとは本番弥生に着てもらうだけだな」
「はい……」
彼女は僅かに瞳を潤ませた。
「喜んでくれるといいな」
「はい。姉も両親も……」
俺は彼女の頭を撫で、「大丈夫」と、言った。
しかし、彼女と俺が決めたドレスは結局三人目を妊娠した姉には着ることができないと判断され再び選び直すことになる。
バタバタとそれをするのは後になっていはいい思い出で、それはまた別の話。
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