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若い彼女は眠ると更に幼く見える。
街灯のあかりが彼女をオレンジに照らすのを見つめた。
化粧もだいぶ上手くなったが、寝顔は誤魔化せない。
タクシーの中で俺に寄りかかり眠る彼女の前髪をサイドに流して、赤くなった頬に触れる。
「熱い……」
思わず呟くくらいそこは熱くて、それはアルコールのせい。
やはり最後の一杯が余計だったと思うが、彼女は嬉しそうに飲んでいたから、よかったと思い込む。
マンションに着いた俺は彼女を抱えてエレベーターを昇った。
一応「着いたぞ」と、声をかけるも「ん……」と、言葉にならない声を出すだけで彼女は目を開けない。
そっと二人の寝室に彼女を運び、皺になりそうなスカートだけ脱がせて横に寝かせた。
この様子ではきっと彼女は朝まで起きない。
明日朝起きて「ごめんなさい」と、何度も謝る姿を簡単に想像できる。
それから勝手にスカートを脱がしたことに真っ赤になるのだろう。
すると仰向けに寝かせた身体は、俺に背を向け寝返った。
それに白く細い足が誘うように感じて、たまらなくなり布団をかけた。
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