269人が本棚に入れています
本棚に追加
/37ページ
彼女の瞳は楽しそうに揺れている。
迎えを頼んだほうがいいとはとても言えない。
「大丈夫?」
「はい。共哉さんは何時に出ますか?」
「九時過ぎかな……」
「わかりました。急ぎますね」
彼女は普段のおっとりした感じとは全く違う早さで調理し始める。
毎回思うが、とても素早い。
あっという間に和の朝食をテーブルに並べてしまった。
結局彼女と待ち合わせすることは反対できぬままでいる。
「あの、私昨日最後のお酒飲んですぐ寝ちゃったんですか?」
「あぁ……」
彼女と向かい合わせに座ると、不安げな瞳と視線が絡んだ。
「重かったですよね?」
「いや、でも心配になるよ」
「すみません……」
どうしてこんなに心配になるのか、酒の飲み方も、今日のことも。
気づかれぬよう小さくため息を吐いた。
最初のコメントを投稿しよう!