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友人から聞いた話です
友人は、ある時期、とてもヤバイ体験をしていました。
きっかけが、なんだったのかは、よくわかりません。
女友達と、ふざけて心霊スポットに行ったようなことを、話していた気もします。
友人は、高校卒業後、働いていました。
行き帰りは市バスです。
雨の日。
市バスの窓から外を見ていると、電話ボックスのなかに女の人がいました。
人がいるなと思いながら、バスが通りすぎる瞬間、ふりかえったそうです。
電話ボックスのなかは無人でした。
妙なことは、まだ、あります。
僕は大学の夏休み、ひさしぶりに、友人の家に行き、怪奇な体験の数々を聞きました。
異変は家でもありました。
友人の寝室は二階です。
家族は、みんな一階でした。
なのに、夜中、階段をあがってくる足音がします。
見ても、誰もいないのです。
あるとき、寝室で昼寝をしていると、また、トントンと足音が聞こえました。
寝ぼけた友人は、兄が帰ってきたのだと思ったそうです。
薄目をあけると、入口に黒っぽい人影が見えました。男です。
男は近づいてくると、寝ている友人の上におおいかぶさってきました。
「食わせろ」と、言って。
違う、これは兄じゃないーー
友人は、とびおきました。
けれど、誰もいません。
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