四季

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もうすぐクリスマスが近付く。 いつものコンビニもクリスマスの装飾が施されて華々しいことこの上ない。 今朝も煙草と缶コーヒー。 いつもの喫煙所。 いつもの煙草二本。 いつもの缶コーヒー。 いつもの十分。 雪が舞う。 夏はあんなに暑いのがキツかったのに真逆の季節になれば寒さがキツい。 娘に会ったあの日から涼しさ寒さが尚更キツく感じる。 嬉しいという感情より情けない感情が先立った。 十年とは長い年月だ。 娘に私という父は存在しないのだ。 娘の制服でどこに進学したか分かったが、私は何も言えないし何も出来ない。 「クリスマスプレゼントくらい贈れば良かったな……」 いつもの十分でつい口に出た。
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