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季節は巡って、また春。
いつものコンビニでいつもの煙草にいつもの缶コーヒー。
「いつもありがとうございます」
今日も店員は丁寧だ。
いつもの喫煙所。
いつもの煙草二本。
いつもの缶コーヒー。
「いつも……か」
いつも側にいたのは私ではない。
娘の側にいたのは妻だ。
謝罪も懺悔もする気はないが、君がいつも幸せであることを祈るよ。
いつしか、そう思うようになった私は、いつものコンビニのいつもの喫煙所で空に祈るのだ。
ただただ、私を知らぬ娘の幸せを。
了
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