『本気』なんて言葉、俺らには一生ねぇよ。

2/14
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/14ページ
「『遊び』だろ?ただの遊び...」 「いきなり、どないしたんや?」 「さっき、どっかの馬鹿に聞かれたんだよ。お前ら、付き合ってんのか?って」 「あぁ~。そうゆうこと...。」 「ありえねぇって!『本気』なんて言葉、俺らには一生ねぇよ。」  てめぇも、そぉ思うだろ?っと、鼻で笑って同意を求めたら、そいつも肩を揺らして笑った。 「当たり前やん。・・・ホンマ、そいつ笑わせてくれるわ~」  そう言って、二人で毒々しく笑い合ったのは、1週間前。  曖昧な関係の俺ら。上辺だけ熱くなる為だけの『本気』じゃない、キス。  お互いが気分がのった時、何となく身体を重ねる。  適当で、都合のいいだけの関係。  そいつもそう言ってた。  ・・・なのに。 「・・・俺、本気でお前のこと好きみたいや。」  昨日、いきなり告白してきた。  初めは冗談か悪ふざけだと思った。  でも、そいつはすげぇ真面目な顔で、じっと俺を見つめて更に言ってきた。 「・・・お前も、俺のこと好きなんやろ・・・?」  はっ!?ふざけんなよ!  ありえねぇって!1週間前、そう言ったじゃねーかっ!!  ・・・お前も同意してたし!  冗談じゃねーぞ。殴られてぇのか!?  だが、そいつの俺を見る目は、何処までも真剣で。 「・・・返事、聞かせてくれへん?」  そう言うそいつに、俺はだた「考えさせろ」としか言えなかった。
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!