いつも、

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僕のバイト先は、コンビニだ。 朝から夕方までのシフト。 慣れてしまえば、やる事は変わらないからそれやりにラクなバイトだった。かわりばえのしない仕事に少し退屈な思いもあった。 そんな僕に小さなが楽しみができた。 それは、朝いつも来る女の子を待つ事。 その子は、母親に連れられてやって来る小さな女の子。母親に同僚のおばさんが聞いたところ、その子はまだ二歳半だった。 女の子は、母親にコーヒーのカップを取ってもらい100円を握り締めながらレジにやってくる。 カウンターよりも小さな女の子。 一生懸命手を伸ばして、カウンターにコーヒーと100円を置く。 「いらっしゃいませ! 」 つい、いつもより高めの声を出してしまう。 「おねがいしゅ。」 まだ、少し舌ったらずな言い方。 100円を受け取り、コーヒーのフタにテープを貼り女の子に渡す。 「ありがとうございましゅ!」 ニコニコっと、笑いながら小さくお辞儀をする。 そして、小走りでコーヒーメーカーのところで待つ母親にカップを渡して…また、ニコニコと笑う。 「ありがとう、上手に買えたねー!」 そう褒められた女の子は、嬉しそうに母親と手を繋ぐ。 朝のその光景は、僕の… 僕たちバイトの小さな楽しみになっていた。
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