ぬるり

ずるべっちゃん

　それは、林間学校でのことでした。林間学校、その目的なんぞ、生徒には理解し難い集団での宿泊。その初日、皆が皆、所謂芋ジャーを着て山道を歩いておりました。

　山とはいえ、数日間宿泊する分の荷物を抱えての坂道です。歩けば歩くほどに暑く、かと言ってジャージを脱ぐことも許されない。口々に生徒は愚痴っていましたが、それも始めだけ。慣れない山に疲れ、宿泊施設に到着した頃には皆無言になりました。

　到着後は、予め決められた部屋に荷物を置き、昼食です。この昼食も配膳するのは生徒、それも運悪く給食当番だった生徒は給食着を持参してまでやらねばなりませんでした。

　カレーを盛り、サラダを盛り、トレイに乗せてテーブルに並べる。ただでさえ暑いのに、給食着を着ての配膳、休んで談笑している当番以外の奴等が実に憎らしい。

　さてはて、昼食を終えたら林間学校のしおりをもっての全体集会。狭い会議室に詰め込まれ、学校でも聞いた諸注意を繰り返されました。