五右衛門

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小さい頃は神童と呼ばれ、地元の名門国立付属中学校から九州の名門オマル高校へ入学した。 オマル中学は九州の神童の子たちでいっぱいで、五右衛門はいつしか普通の子どもになってしまった。 オマル高校を卒業し東都大学を受験したが落ちて、東京都内の医歯医系予備校に 六年間浪人生として過ごした。 晴れてようやく東都大学に入学したが、今度は4年留年して卒業も研究室の教授のお情けでようやく卒業した。 就職先もなかなか決まらずに、ようやく731収容所にはいり、小難しいことをわざと言い、周囲から、「さすが五右衛門さん」と言われて満足してきた小さな虚栄心が壊されたからだ。 「畜生~」俺様の立ち位置が、所内を歩いていても皆が俺のことを見下していると思うようになってきた。 今週末は絶対に風俗というやつにいってやるぞと決意した。
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