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サマーセット・モーム
ナガオが公衆の面前で謎の鎧武者により日本刀で殺された。
五右衛門は家でテレビを見て、ナガオが惨殺されたニュースを知ることになった。
ふと、机にある一冊の本、サマーセット・モームの「人間の絆」が気になったので、あるページを開いてみた。
そこにはフイリップが苦難の末、得た自分なりの結論、「ペルシャ絨毯」を例えにした文章が記載されていた。
“これまでのぼくは、他人が言った言葉、書いた文章に教えられた理想を追い求めてきたのであって、自分自身の心底からの願望をないがしろにしてきた。
こうも言えよう。こうすべきだと考えたことに支配されたのであって、自分が心の底からぜひ成し遂げたいと願ったことは、せずじまいだった。自分の真実の欲求以外のものを、今やもう不要と言わんばかりに、すべて頭から払拭した。
これまでは常に未来にばかり生きてきて、現在は指の間からこぼれてしまっていた。自分の理想は一体どういうものだろうか?
自分の無数の無意味な事実を材料にして、複雑で美しいぺルシャ絨毯を紡ぎだしたいという願望を思い出した。
だが、「人が生まれ、働き、結婚し、子供を作り、死ぬ」という、もっとも単純なぺルシャ絨毯であれ、他のものと遜色なく、もっとも完璧なぺルシャ絨毯と言ってもよいのではなかろうか”
繰り返し読むが、涙がでて、読み進めることができない。
人生とは何か・・・・・・
それは決して答えを得ることが出来ない難題だ。
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