ポンコツロボットは死なず

7/7
8人が本棚に入れています
本棚に追加
/83ページ
五右衛門は興奮してすぐさま男子トイレに駆け込み、ひとりで素振りに励んだ。 「ふー」とひと仕事を終え、すっきりとした気分で仕事に戻り、これも社員休暇だと考えていた矢先だった。 加藤が露骨に嫌な顔をしていて、「臭いです」とけんか腰で迫ってきた。 クリチャン・ディオールの女性にもてると評判の香水ファーレンハイト EDTをたっぷりつけているのになぜだ。 こいつも俺様にメロメロのはずなのにどうしてと頭の中に疑問符でいっぱいだ。 彼女がいうには「腐ったイカの臭いが充満している」というのだ。 自分の臭いというのは自分で気づかないが、さっきの素振りのさいに多くの五右衛門ジュニアが飛翔したようだ。
/83ページ

最初のコメントを投稿しよう!