第一話『電波状況』

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第八十五話『カニ』 「さて、準備できたわ!」 「よーし、街じゃの!!」 と、僕らはとなりの街『ギリムウィル』に向かった。 「ほほう、ここが街かぁ」とめちゃくちゃ嬉しそうなハーデスちゃん。 「くるの初めてだもんね?」と僕が言う。 「いつも窓から見ておったぞ!!」 と堂々というハーデスちゃん。 「元気だけど、学校にいけなくて窓からそとばかり見ている、引きこもりっぽい発言だ」と僕が笑う。まあ近からず遠からずそんな感じなのだろう。それもなんとなく分かってからあの城からハーデスちゃんをつれだしたという面も少しある。 「来れて良かったね!」とカナデが言う。 「うん!!」 とハーデスちゃんが笑う。いつもの尊厳口調のことは忘れたらしい。とても嬉しそうに笑うのでとても可愛い。 この二人はあっさり仲良くなっているようだった。 ハーデスちゃんとカナデが 「あれはなにかのぉ」「あれはこう使うのよ!」「なんと!!」みたいなやりとりをずっとしている。 「いきなり都会に出てきた、田舎の子どものようだな」 いや、まさにそのとおりなんだけど。楽しんでいたたげたらなによりだった。発見がいろいろあることだろう。     
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