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第一話『電波状況』
第一話『電波状況』
「ここは・・・明らかに異世界・・・」
そう、僕は今異世界にいる。たぶん。いや、間違いなく。なんで分かるかというと、エルフや獣人が普通に歩いているから。しかも人間の言葉を喋って。
僕は、さっきまで、どこにいたんだっけ??
それすらもちょっと自信がなかった。
うーむ、どうしよう。今日、何月何日だっけ、ちなみにいまの時間は??
気になったのでポッケに手を入れて、スマホを取り出す。日付を確認して、ああ、今日はそうだったか、と思い出す。時間は16時、夕方を示していた。
「でも、ここ、日本時間なのかな」
と、根本的疑問が湧いてくる。でもなんとなく、夕方っぽいからまぁいいかな、と思ってスマホをポッケにしまう。
「ん??」
その瞬間、僕はあることに気がつく。
「あれ??」
さらに思考を進める。時間のことだけ気になってスマホをしまおうとしてしまったが。凄いことに気がついた。
「今、電波入ってるって書いてなかった!?!?」
と、慌てて、ポケットから再びスマホを取り出す僕。
心臓の音が高まる。そう、異世界に来るということは、現代社会のテクノロジーはすべて置いて、自分の知能だけをもって転移することをさす『普通』は!!
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