第一話『電波状況』

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それは、タイムマシンで過去に自分だけ、移動して、ゲームもテレビもビデオもない状態のようだ。それだったら、現代に居たいと誰もが思うだろう。少なくとも、僕はゲームをやりたい派だ! 「うおおおぉぉぉぉ、やっぱりだ!!」 と、スマホを手元にもどす、僕のテンションはうなぎのぼりだ!嬉しすぎて、若干目が潤んでスマホの画面がにじむ。冷静に目をぱちくりさせて、霞みを取って、もう一度画面を確認する。 「はい、あります!電波いっぱい立ってます!!」 昔で言うところのバリ3、いまだと5本??つまりMAXの電波状況だった。 「これ、僕の部屋より入りがいいのでは・・・」 そう、下手な現実世界の田舎より電波の入りがいい。めっちゃ快適!! 「あ、そうだ。表示なんて、信用しちゃダメ!!」 と僕は正気を取り戻す。現実世界でも、表示されててもつながらないことは多々ある。 「実際に検索してみないと・・・」 と、とりあえず動くかどうかの確認、つまり動作確認をすることにしてみた。 「とりあえず、ここは『異世界』で検索してみよう」 と、フリック入力で、さささっ、と検索する僕。すると、くるくると通信中の表示が回転し、検索が完了する。 『異世界 - 人が世界を分類する場合において、自分たちが所属する世界の外側。』     
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