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第八十四話『街へ』
「さて、お腹もいっぱいになったし、街にでも行ってみますかね?」
「街・・・とな・・・?」
僕の提案に、ハーデスちゃんが食いついた。
僕らはしっかりと唐揚げパーティーを楽しんで、後片付けをしているところだった。片付けを進めながら、カナデが言った。
「そうね、ハーデスちゃんも街に人がいるところに言ってみるのがいいわね!」
と、これからの旅で、ハーデスちゃんも人とコミュニケーションを取っていくことになるから、練習としてちょうどいいのではないか、というニュアンスでカナデが言う。
「あれ?でも結界があるんじゃなかったかしら?」
とヒビキさんが頬に手を当てて疑問を口にした。激しい戦いの中、厳しい表情だったヒビキさんだが、すっかりいつもの彼女に戻っていた。女子は切り替えが速いなぁ。
そう、ヒビキさんの疑問通り、となりの街『ギリムウイル』はその結界があるから、魔獣がやってこないということだった。魔獣どころではない、魔そのもののハーデスちゃんが入れるのだろうか?
「ふふん、結界じゃと!?」
と、鼻で笑う、ハーデスちゃん。
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