第一話『電波状況』

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第八十四話『街へ』 「さて、お腹もいっぱいになったし、街にでも行ってみますかね?」 「街・・・とな・・・?」 僕の提案に、ハーデスちゃんが食いついた。 僕らはしっかりと唐揚げパーティーを楽しんで、後片付けをしているところだった。片付けを進めながら、カナデが言った。 「そうね、ハーデスちゃんも街に人がいるところに言ってみるのがいいわね!」 と、これからの旅で、ハーデスちゃんも人とコミュニケーションを取っていくことになるから、練習としてちょうどいいのではないか、というニュアンスでカナデが言う。 「あれ?でも結界があるんじゃなかったかしら?」 とヒビキさんが頬に手を当てて疑問を口にした。激しい戦いの中、厳しい表情だったヒビキさんだが、すっかりいつもの彼女に戻っていた。女子は切り替えが速いなぁ。 そう、ヒビキさんの疑問通り、となりの街『ギリムウイル』はその結界があるから、魔獣がやってこないということだった。魔獣どころではない、魔そのもののハーデスちゃんが入れるのだろうか? 「ふふん、結界じゃと!?」 と、鼻で笑う、ハーデスちゃん。     
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