波乱の予感

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 「だいたい、なんで白井さんはそんなに未央の事嫌ってるの?  なんか恨むようなことでもあった?」  「まあね、どうせ私が同じ中学出身なのは、坂柳から聞いて知ってんだろ。なら、話は早い」  そう言って、白井は中学の時のことを話し始めた。  「須崎未央とはね、3年間同じクラスだったんだよ。  で、私は星塚君に一目惚れしてからずっと好きだった。  たしか、一目惚れしたのは2年のときかな。  で、いざ告白って思って少し近づいてみたら、須崎がずっと近くにいて、今年まで先延ばしになったの。  それだけじゃないよ。  あいつはね、クラスメイトからも慕われてて、地味だった私にも親切に声をかけてくれたりして、  悪いヤツじゃないってことはわかった。  でもね、なんか、それがとても気に入らなかった。それで、星塚くんまで取られたら最悪って」  「おいおい、もともと柚希はお前のもんじゃないだろ」  「!」  「それで、未央を悪く言うのは心外だな」  そう、言ったのは僕ではない。  もちろん、琉斗だ。  「琉斗、なんでいるの?」
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