波乱の予感

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 てか、これは夢と言うよりは、少し薄れていた俺の記憶のかけら。  俺は、中3のとき姉さんが死んだときより前の記憶をあんまり覚えてない。  大好きだった姉さんを失ったことのショックだろう。  姉さんは交通事故で死んだ。  バイクを運転中の姉さんは、トラックにはねられた。  俺から、母さんはだんだんおかしくなっていった。  それから、行き場を失った2人を俺の家で引き取ることにした。  『へー、琉斗くんって言うんだ!よろしくね』  小学生の未央の声がする。  「琉斗ー?着いたよ」  「えっ?気づかなかった」  「ぐっすり眠ってたもんね」  「一応聞くけど、寝言言ってなかったよな」  俺がそう聞くと、未央は少し考えてから答えた。  「うーん、多分言ってなかったような。  てか、聞かれて困る内容の夢だったわけ?」  「ああ、あのときの夢を見た。夢というか、記憶というか」  「あの時?」  未央は、不思議そうな顔をした。  「ああ、俺らが出会った1番最初のときの」  「ああ、小学生の時の?」  「そうそう。あの時の記憶少し忘れてたんだけど、思い出したんだよね。今回の夢のおかげで」  「そっか!良かったというべきなのか」  彼女はパッと顔を輝かせてそう言った。  「まあ、良かったといえばよかったと思うよ。たぶんね」            ※  僕が、バス停についたとき、2人はにこやかに話していた。  「遅くなってごめん。待った?」  「全然!待ってない」  「それじゃ、行こうか」  そういう真宙の言葉によって、お墓に向かった。
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