波乱の予感

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 「じゃあ、1回通しでやってみようか」  「だな。じゃあ、俺がスティック鳴らすから」  カン、カン、カン  『♪ 駆け出したあの頃は      まだ他人だった僕ら     だからこそ      分かり合えると思うんだ..........  』  未央の澄んだ歌声がスタジオ内に響く。  「すごい!うますぎでしょ!」  なぜか火渡は興奮している。  「ま、未央は小さい頃から歌うこと好きだったもんな」  「うん。こんな柚希でも、ピアノうまいんだよ」  「こんなってなんだよ。こんなって」  「幼馴染だもんな。いいなー幼馴染とかいるの羨ましい」  「そうでもないよ。結構長く一緒にいるとめんどくさい」  「わかるわ。俺は中学からだけど。月桜の扱いはめんどくさい。  あ、正確に言うと小学校の時の1日。  最近、夢で思い出した」  そうだよ。小学校の時に1度会ってたんだった。  僕も忘れてたよ。  「じゃあ、また明日ね」  そう言って手を振りながら寮の自室に入った。  「お、おかえり!星塚」  「おう!ただいま」  僕のルームメイトである、堀江。  下の名前は確か、幸弥。だったっけな?  「あ、白井さん来たよ。さっき」
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