波乱の予感

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 「あ、友達の誕生日のために作ったんだけど、余っちゃって」  「あ、ありがとう」  僕は、苦笑いしながらそれを受け取った。  「それじゃあ、また明日」  今日の白井は機嫌がいいようだ。  「俺、白井のこと苦手だな」  「お前でも、苦手な女子っていんだな」  「ま、まあな。あのタイプは本当苦手、というか嫌いかな」  「お前って、来るもの拒まずって感じだし」  「そうかー?まあ、たしかに。須崎とか小倉とか早川とかが、グイグイ来たら」  「や、やめろ」  「何、動揺してんだよ」  そう言って笑った。  「冗談だよ。真に受けるな。それに、お前が好きなやつ取ったりしねーから」  「え?え、なんで、知ってるの?」  「いや、わかるだろ。お前表に出過ぎだし。だから白井にも、目つけられんだよ」  そして、またチャイムがなった。  「今度は誰だ?」  「え?み、未央」  「お、噂をすれば」  「柚希。これ、カバンに入ってた」  「須崎!上がってけば」  「堀江くん!いいの?」  「いいよな。星塚」  「も、もちろん」  「じゃあ、お言葉に甘えて」  「柚希、堀江くんに迷惑かけてない?」  「大丈夫だよ。須崎。星塚は迷惑というか、面白いっていう対象だから」  「は?どういうことだよ」  僕と堀江で言い争いをしていると未央がくすくす笑った。
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