春祭 ―1日目―

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春祭 ―1日目―

 春祭は、2日間で行われる。  1日目は、スポーツ大会に近い。  競技をして、クラスで競い合う。  勝ったクラスには、クラス別に寮が区切られているため、ひとつ欲しいものを手に入れることができる。  テレビやら、その時欲しいものをもらう人も多くいる。  種目は、バスケットボール。  バレーボール。  ほかは、確か女子はバトミントン。  男子はサッカーだったような気がする。  男女別に分かれているため、サッカーの試合などは応援席は女子で溢れていたりすることは稀ではない。  男子たちにとっては、女子バスケの人気が高い。  ちなみに、未央は、バスケだ。  応援しに行こう……。  『えー、9時半より開催されます、男子バスケットボールの競技に出場する方は、  速やかに体育館に集合してください。繰り返します…………』  未央はそういえば放送係だったな。  未央の放送が流れ、出場する男子は少しずつ動き始めた。            ※  「須崎。そろそろ、女子バスケの時間だろ?誰かに交換してもらえ」  千紘にそう呼びかける人物が放送室に現れた。  「あ、堀江先生!わかりました。誰かに変わってもらいます」  「なんなら俺が探してくるけど……」  「いいんですか?じゃあ、お願いしますっ。ホント先生は頼りになりますね」  「まあな、未央に使われるのは悪い気しない」  堀江先生はそういった。  「なんですか?ドMですか?」  私は、くすくす笑いながらそう言った。  堀江先生は、私にとって先生の中で最も信頼できる先生だ。  なぜっていうほどの理由もないが、昔からお世話になっている。  だからもちろん、堀江幸弥くんとも、もともと知り合いではあった。  柚希には言ってないけどね。
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