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主人公side
ふわふわ
ふわふわ
心地よい微睡の中、上も下も右も左も分からない世界で揺蕩う。
誰かが私の近くにいるような感覚がするが、それを気にできるほど私の意識は覚醒していない。
誰だろう・・・?私はさっき死んだはずだから、お母さんとかお父さんかな・・・?
そうだったら嬉しいなぁ。
「うーん、僕は君の父親でも母親ではないから、その期待にはこたえられないね。ごめんよ。」
・・・?誰?
「僕は創世神。この世を作った神だよ。君たちの世界は僕の作った世の一部だね。」
神様?そんな凄い人が、なぜ私なんかのところにいらっしゃっているのですか?
「君は子供を庇って死んだだろう?」
そうですね。
「敬語はなしでいいよ。面倒だから。」
了解、分かり、分かった。
「よし。じゃあ、本題に入るね。」
は、うん。
「君が庇った子供、そして君自身も、だね。君たちは、君たちの世界神に殺された、または殺されそうになってたんだ。」
世界神?私たちの世界の神様?
「そう。僕が神の中では一番地位が高いんだけれど、その下に冥界神、属性神、天界神、そして世界神、って感じで序列があるんだ。」
なるほど、じゃあ貴方が会長さんだったら世界神さんは支店長さんくらいってこと?
「うーん、まあ、そんな感じでいいや。それで、君は神に殺されたのさ。」
うん。
「そして、この世界では神が殺めたものには神が償わなければいけないっていうルールがあってね。それで僕が君のところに来たのさ。」
?でも、一番偉い神様がしなくてもよかったんじゃないの?
「それはそうなんだけどね。暇つぶしに世界神を罰して、君の一生を見させてもらったんだけど、君がびっくりするくらいに面白そうだったから、ついね。」
そうなんだ。
「ということで、僕から君に加護をあたえよう!」
加護?
「そう。加護を与えてあげるから、第二の人生は幸せに生きるんだよ。」
幸せに・・・?
「うん。君の魂を、他の世界に送ってあげる。君はそこで新しい体を得て、自由に過ごすといい。」
自由に・・・。
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