0人が本棚に入れています
本棚に追加
/2ページ
雨がしとしと降る夜。
それはそれは気味の悪い夜だった。
ひどく疲れていて、終電で帰ってきたオレは、食べかけの弁当や飲みかけのペットボトル、脱ぎ散らかされた服が占拠している床をぬって歩き、ベッドにたどり着くと、そのまま眠ってしまった。
ビニール袋をガサゴソと漁るような音がして、目を覚ますと、そこには見たこともない白いワンピースを着た女がいた。
その瞬間、声が出なくなり、身体が硬直した。この世のものとは思えないものを見てしまったと気づいた。
そんなオレを他所に、女はゴミ袋に食べかけの弁当やペットボトルを入れていく。
よほど疲れているせいか、次第に目が開かなくなる。
しかし、この状況で眠ってはいけないという本能と戦いながら、必死に目を見開いた。
女がこっちを見て笑ったような気がした。
翌朝、目を覚まして床を見ると、ゴミは散乱したままだった。
そこで、ああ、あれは金縛りでその最中、おかしな夢を見たんだと気付いた。
しかし、トイレに行き、それから床の上で畳まれた服を見て、思った。
「いつもの畳み方と違う」
最初のコメントを投稿しよう!