第1章-2

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 このままじゃいけないってわかってる。  わかっていたけど、どうすればいいのかわからない。  だって、ユーゴが吸血鬼だって事実は変えようがないから……。  「はあ……」  「溜息ばかりついているくらいなら、ユーゴ本人に会いに行ったらどうだい?」  「そうだぞ。さっき、夕飯届けてきたら、お前のこと呼んできて欲しいって言ってたぞ?」  「えっ?」  会いたいって言ってくれるのは嬉しいかったけど、ちょっと驚いてしまった。  だって、私がドアの外から声をかけた時は、部屋に入られるのをものすごく嫌がっていたのに。  「いざとなったら、僕たちを呼べばすぐに助けてあげるし、行ってきたら?」  「そうそう。それに。お前には、無敵のペンダントがあるんじゃねーの?」  「フロリア、ロイ……」  「ほら、行っておいで。勿論、君が僕に乗り換えると言うなら、別だけどね」  「きったねーぞ。だったら、俺だってありだからな」  「何を言ってるんだい? 君のようながさつな男では、傷心の女性を慰められるわけがないだろう?」  「はっ! お前なんか、泣いてる女の前で別の女を口説いて、もっと泣かせるんだろうが」  「ふふふ。2人ともありがとうね。私、ユーゴの所に行ってくるよ」  2人が空気を和ませてくれたから、なんだかちょっと前向きになれたかも。  「やれやれ。僕は別に君を元気付けようとしていったわけじゃなくて、本気のつもりだったんだけどね」  「ほんとだぜ」  ぶつくさ言ってる2人を置いて、私はユーゴの部屋へ向かった。  「ユーゴ、入るわよ」  私は、ユーゴの返事も待たずに、ドアを開けて部屋の中に入っていった。  「ダメだ! 入ったら、絶対ダメ!!」  「えっ? だって、私を呼んだんじゃないの?」  「ダメだ!」  驚いてる間に、ユーゴが飛び出してきて、私を押し戻そうとする。  「ユーゴ? ロイに、私を呼んできてって頼んだんじゃなかったの?」  どうしちゃったのかな?  わけがわからなくて首をかしげた途端。  「くっ……」  「ユー……あっ!」  痛いぐらいに肩をつかまれて、無理矢理ユーゴの方に引き寄せられた。  ユーゴの牙が肌に触れる。  チクンとかすかな痛みが走る。  すぐにユーゴの腕が、私を少しだけ押し戻した。  「ダ、メだ……呼んだのは、私だけど……私じゃない」  「どいうこと?」
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