guestionung 尋問

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guestionung 尋問

「おじさん。話したほうが楽になるよ。どっち道逃げられないんだから」  変装を解いた、零のサバイバルナイフが、天童穂積の腹に刺さる。 「俺は、何も知らない。こんな女知らない」 「はぁ、そんなウソが通じると思う?」  さっきより、ナイフが奥に入り込む。 「本当に、俺は何も知らない。信じてくれ!」  天童穂積は、自分をうしろから抑え込んでいる朧に、必死に訴える。 「……ねぇ? おじさんなら、俺たちがそこらへんにいる奴らと違うって解るよね?」 「……」  天童穂積は、仲間から噂で聞いたことがあった。  表沙汰にできない探し物を専門に扱う、探偵事務所が存在すると。  そして、そこに所属する探偵は、依頼解決の為なら手段を選ばない。  例え、それが、犯罪行為に当たろうとも依頼を解決する。  だから、もし、「black bird」に目をつけられたら、助かる保証はない。  それぐらい、恐れられている存在だと。 _カチ_  拳銃の安全装置が外れる音。 「おじさん。俺達もそんなにお人好しじゃあないんだよね? だから、早くしゃべってくれませんか? じゃあないと俺、間違えって貴方の事…」 「!?」  いつの間にか穂積の額に拳銃が押し付けられていた。 「わかかかっか解った君達の言う通りにする」 (ここは、この二人のいう事を訊いて、隙を見て逃げよう。こんな所で殺されて堪るか) 「…天童穂積様。ご理解程ありがとうございます…ってそれで僕達が納得するとでも 思いましたか?」  _バンバン_ 「零! 止めろ!」  銃弾が、穂積の脇をギリギリのラインですり抜けた。 「おい、いま俺を狙っただろ!」 「…おじさん。俺たちの事、甘く見ない方がいいよ。次、嘘ついたら…」  _カチ_  零が構える拳銃の銃口が、真っすぐ穂積の心臓を捉える。 「解った。今度こそ、ちゃんと話す」 「あの? 天童穂積様、一つ言い忘れておりましたが、会話は、全て録音させて頂いておりますので、嘘をつかれてもすぐにばれますので」 「!?」  ダークブラックのジャケットの内ポケットから、黒い携帯電話を取り出し、ボイスレコーダーを再生する。  そこから、聞こえてきたのは…… 『どうしたの?』  今さっき、自分に話しかけてきた三つ編みの女の子に、返事を返す自分の声。 「!? こんなの俺を貶めるために作った冗談に決まってる!」  天童穂積の声は、怒りに満ちている。
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