第2章 だれといても

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 早朝六時に目覚ましが鳴る、その二分前に目覚めた。  ダブルベッドの真ん中で、小さな子供みたいに丸まって布団を抱き締めている夫の鼻先にキスをしてから、私はベッドを抜け出る。昨夜の営みを思い出して、思い出し笑いをしながら朝の支度を開始する。  タイマーセットしておいた洗濯物はまだ洗っている最中。炊飯器のごはんもこれから圧力がかかって美味しく炊ける。雪平鍋に水を注いでコンロに火を点けた。昆布とパック入りの鰹節を放り込んで、小さな豆腐を細かく切りながら鍋に投入。晴馬が好きな納豆には刻んだネギを大量に入れるから、味噌汁の分を含めても白ネギ一本全部を刻んで行く。  昨夜多めに作っておいたカレイの煮つけを温め直し、ぬか床からキュウリを一本取り出して切って盛り付けたら、朝ごはんの支度は大体終わる。
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