第2章 だれといても

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 おじいちゃんに教えてもらった料理しか作れないけど、晴馬はどれも美味しいと言いながら、とても美味しそうに食べてくれる。  作り甲斐があって妻としても安心する。お弁当用に卵焼きを焼いて、週末に大量に作っておいたから揚げの冷凍をレンジでチンしたら、あとは茹でたブロッコリーとミニトマトと適当にランチボックスに詰め込んだ。炊き立てのご飯を入れて、荒熱が取れるまでは放置。仕上がった洗濯物をベランダで干してしまうと、朝の家事はひと段落。  時計は六時四十五分。晴馬を起こしにベッドに戻った。  まだ、布団に抱き着いて気持ちよさそうに眠っている。三十一歳とは思えない可愛い寝顔に見惚れる。できるならずっと眺めていたいけど、晴馬は学校、私は地元の保育園に出勤なのである。触れるギリギリのところまで唇を寄せて、彼の目を見詰めながらチュっとすると、晴馬はパッと目を開けた。
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