ガラス色の雪

第1章 どこにいても

　古い和室のアパートに机とベッドと小さな箪笥。
それから、小さなテレビと冷蔵庫を置いた彼の部屋はとても殺風景だった。

　私の家もお母さんの流儀でさっぱりしている方だったけど、晴馬の部屋はその上を行っていた。

　押し入れ開けても何もない。アルバムの類は一切ない。着替えも靴も、旅行鞄に詰め込む程度にしかもっていない。総ての家電は真新しくて、違和感があった。

　食器も一人分しかなくて、ラーメン鉢にインスタントラーメンを作っては二人で山分けした。彼が使う火気は電気コンロひとつだったから、作れる料理も限られていた。